上塚山(937m)

【前書き】
 上塚山は英彦山の東南東、中津市と日田市の境界に位置する山です。上塚山に登るには岳滅鬼峠-石楠花ノ頭間にある福岡県添田町と大分県中津市及び日田市の3境界から尾根伝いに南下するコースとガラメキ峠から尾根伝いに北上するコースがあります。
 上塚山に登ろうと考えたきっかけは、単純に英彦山周辺の名の付いた山に登ることを最近の目標にしてきたことにあります。上塚山は登山の本には紹介されていないので、どこから登るか、2万5千分の一地形図をいつも持ち歩いて考えてきました。登山口として上塚山の東側の藤原川の上流域や日田市市木の周辺を車で探索しましたが、適当な場所が見当たらないので今回の裏英彦山コースから登ることにしました。この裏英彦山コースは残雪の今年2月に歩き、あまり良いイメージは無かったのですが、上塚山に登るためには仕方ありません。 

【年月日】’06年4月30日(日)
【コースタイム】鬼杉登山口(6:30)→鬼杉(6:50)→篭水峠(7:35)→猫の丸尾(7:55)→
          石楠花ノ頭(8:45)→3境界(9:10)→988mピーク(9:50)→上塚山(10:45-11:00)→
          988mピーク(11:50)→3境界(12:20)→5Mの岩場(12:30)→岳滅鬼峠(13:10)→
          林道(13:35)→(深倉林道経由)→鬼杉登山口(14:10)
【同行者】単独
【場所】国土地理院 ウオッちず地図閲覧サービス(試験公開) 503017 2万5千分1地形図名:英彦山 [南西]

【写真と解説】

猫の丸尾から石楠花ノ頭
このコースは2月に登って結構時間が掛かったので今日は下手すると山中一泊になるかもしれないと覚悟をしていました。

妻にも「明日の昼までに帰って来なかったら捜索願を出してくれ」と詳細な登山予定を出して出発しました。

今日は午前4時に起床して、6:30から歩き始めたものの何時まで経っても眠く、歩き始めから左膝がグジュグジュ言って最悪の状態。

絶対に無理をしないよう自分に言い聞かせながらゆっくりと歩きました。

ここから一旦下って石楠花ノ頭に登ります。
猫の丸尾から岳滅鬼山方面
視界を石楠花ノ頭から尾根伝いに右にやると岳滅鬼山だと思いますが見えます。

今日は上塚山から来た道を往復する予定でしたが、結局、予定変更して岳滅鬼峠側に下りました。なぜ、距離の長い猫の丸尾コースを往復する予定でいたのか?

それは岳滅鬼峠側に下りるには恐怖の5Mの岩場を通過しなければならないからです。怖い場所は極力避ける。特に単独では。
登山の途中で勝手にコース変更するのは反則ですが、尾根上では何とか携帯のアンテナが立ったので、事前に家にコース変更を連絡してから実行しました。
上塚山への分岐(3境界)
歩き始めは絶不調でしたが、気が付いたら結構良いペースで歩いていました。ここに9:10到着ですから余裕です。

真っ直ぐ進めば、直ぐに5Mの岩場を経由して岳滅鬼峠。左へ尾根伝いに行くと目的の上塚山です。

写真で杉か檜が倒れています。日田市側は山頂まで植林して、それが倒れているのが目に付きます。

植林を山頂までするのは、何かの本で読んだような気がするんだけど良くない事のような。せめて尾根から数十m位は自然のまま残して欲しいものです。
988mピーク手前から苅又山
苅又山は轟集落のお爺ちゃんに登山口を教えてもらって登った山です。正式の登山口があるのか、疑問ですが、中腹から上には比較的明瞭な道がありました。

中腹から下の道なき道も自然を楽しみながら歩ける楽しい道でした。但し、中腹より下でも植林帯に入ったら全然面白くありません。
人間でもそうなんですから、山で暮らす動物達にとっては、植林帯なんてクソみたいなもんかな?

まあ、守るべき自然と活用すべき場所の棲み分けが必要なのかな。
防鹿ネットの鹿の死骸
988mピークから防鹿ネット?が張られていました。日田市側の杉と檜の植林を鹿から守る為だと思います。

白骨も含めて4頭死んでいました。

この写真の死骸は比較的新しい方でしょう。

角がネットに絡んで身動きできずに餓死したのでしょうか。
鹿の死骸(その2)
昔は食物連鎖の頂点に日本狼がいたのでしょうか。

鹿などが増えれば、狼が食べていたのでしょう。

現在は狼がいないので食物連鎖の頂点には人間がいるのかな? 狼に変わって人間が鹿を間引いてやる必要があるのか?

何と傲慢な人間!西欧合理主義で賢くなったと思っている人間の知恵なんて、日本狼ほどの知恵も存在感も無い。
石楠花ノ頭と猫の丸尾
分岐から988mピークまではスズタケであまり面白くありませんが、988mピークから先は比較的歩きやすく所々、石楠花ノ頭等が見えます。

日田市側は植林が倒れて最悪ですが、中津市側は自然林の緑が綺麗です。

このコースは、中津市側の落葉樹の新緑を見るだけでも楽しいと思いました。

尚、石楠花ノ頭のシャクナゲですが、頭よりも西側に多いです。また、花芽はでっかいのがポツポツ付いていましたので、今年はそこそこ楽しめるのではないかと思います。
上塚山頂上
比較的なだらかな尾根歩きの後、山頂に着きました。山頂標識が無かったらどこが山頂か分らずに帰ったかもしれません。

特に何も無い山頂ですが、到達できて一安心。

この後、帰る方向が分らなくなりちょっとうろつきました。

今回、計2回少しだけ迷いそうになりました。地形図とコンパスで頻繁に確認しながら歩いたので大丈夫でしたが。

このコース尾根歩きなので普通迷わないコースですが、つい感じの良い方向に進んだら迷ったりして。
上塚山手前から988mピーク
988mピークの直ぐ下まで、標高で100mちょっと下でしょうか、日田から林道が伸びています。

日田側の植林は徹底していますね。昔、天領だったことも影響しているのでしょうか。

今から尾根伝いに988mピークまで戻りますが、だいぶ膝が疲れてきました。

予定変更して距離の短い岳滅鬼峠側に下山しようかな、と考え始めました。
5Mの岩場
3境界から暫く西に歩くと5Mの岩場に着きます。ここを通過しても更に少し痩せ尾根が続きます。

前回は逆方向だったので、設置のトラロープを掴んで力任せによじ登りましたが、今回は下りで最初戸惑いましたが、冷静に足場を探しながら行くと特に問題ありませんでした。
ここがあるからこのコースは歩きたくなかったのが本心。
5Mの岩場から上塚山方面
5Mの岩場を上に登ると周囲が見渡せます。

このコースあまりそんな場所が無いのです。

写真左が分岐で右が988mピーク。

その奥に左に続く尾根が上塚山に向かうjコース。肝心の上塚山は手前の尾根が邪魔になって見えません。

【後書き】
 上塚山に登ろうと約1年前から考えて、やっと達成しました。常に地形図を持ち歩いて暇さえあれば、どこから登ろうか考えていました。実際に登ってみたら思ったよりも簡単でした。
 次はどこをどのようにふらつくか、それが問題です。

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